歴史的な佇まいを持つ名古屋市本庁舎。議場は、全国でもまれな円形議場であり、机や壁、椅子なども歴史を感じさせる趣深いものが並んでいます。
老朽化した既設市議場放送設備の改修工事は既存設備スペースに新システムを組み込み、既存設備以上のメリットを出すかがポイントとして挙げられました。議場用マイクロホンは、マイク本体を机上に、マイクコンセントおよびスピーカーを含めた中継盤を机の下に別々に配置し、中継盤は厚さ3cmほどのわずかな隙間を使って設置するなど、TOAグループでは歴史ある設備を活かしつつ、音声、マイク制御および発言内容の録音が可能なシステムの構築を目指しました。また、議長が指名した議員のマイク選択やグループ音量調整、録音機制御、マイクのパターン制御など、議会運営にまつわるさまざまな操作をデジタルミキサーにより集中管理ができるスマートコングレスシステムを採用されました。
議場内の最重要課題であるハウリング対策はデジタルシグナルプロセッサーを活用し、ハウリングを起こしそうな周波数を感知し、事前に抑制することでハウリングを予防しています。
そのほか、バックアップ機能に関しても、録音機器センタースピーカーや傍聴席スピーカー、パワーアンプも二重化することで、片方の配線や機器が故障しても残った片方で機能を果たすことができます。さらに、中央制御ユニットや、ハウリング対策や音量の調整を行なうデジタルシグナルプロセッサーに故障が発生した場合にも、バイパス回路を使って音声回線を確保し、継続して録音できます。
TOAグループではスムーズで開かれた議会運営をサポートしています。